配属を検討しているみなさんへ
誰にとっても一番良い研究室というのは無いと考えています. みなさん自身にとって相性がよさそうで,楽しく学び究めることができる選択につながることを願い,少し長いですが以下に文章を書きました.
研究室の特徴
研究室として大切にしたいと考えていることは「考えぬく」ことです. 研究活動自体は知的生産活動ですから,うまくいかないこともたくさんあります. どちらかというと悩みながら暗いトンネルを延々と進んでいくようなプロセスです. このとき,一人だけで考えるのではなく,教員も含め所属学生皆でディスカッションしながら,共に考えていくことができると良いと考えています. ディスカッションの中で(大抵違っていますが)「わかった!」「こうかもしれない!」ともやもやしたものに光がさす瞬間は,表現が難しいですが,とても素敵な瞬間ですし研究の醍醐味であると考えています.
言うまでもなく,研究室は共創システムです. 研究室をより良い場所にしていきたいという意気がある学生さんとともに良い研究室をつくりあげていきたいと考えています. 後藤研究室では多くの研究はプロジェクトベースで進められています. その中には,外部と連携した共同研究も多数存在します.共同研究は,企業,NPO,他大学,学校と行われることが多いです. 共同研究に参加することは,企業が保有しているデータを使わせていただくことができるため魅力的な研究を行うことができたり,他大学と連携することで技術面でのコラボレーションができるため質の高い研究を行うことができる可能性があります. これらは外部とのやり取りも含めて,みなさん自身を成長させることにもつながります. 一方で,責任を持って進めることも求められますので,研究に対して熱意を持って取組んでいただくことを期待しています.
研究・教育の一環として継続的に学外のデータ解析コンペティションに参加しています. 昨年度からは他大学との連合チームで参加していて,成果が学会発表や大会での受賞にもつながっています. 実データを対象として,他メンバーと共同で検討しながら問題設定して研究する活動はみなさんにとってプログラミング能力,データ分析能力,プレゼンテーション能力,ディスカッション能力を総合的に育成するとても良い機会だと考えています. 一方で,チーム活動でもありますので,責任を持って進めることも求められます.このため,研究に対して熱意を持って取組んでいただくことを期待しています.
配属にあたってよくいただくご質問
これまでにみなさんに頂いたご質問への回答を整理しています. お読みいただき,ご不明の点があれば遠慮なく教員までお問い合わせください.
研究テーマはどのようにして決めますか?
研究テーマはこちらでいくつかのテーマ案をお示しして,みなさんと相談しながら決めていきます. 後藤研究室では企業との共同研究も行っており,共同研究テーマにも取り組むことができます.
研究はどのようにして進めていくのでしょうか?
2年目の新しい研究室ですので,みなさんと相談しながら決めていきたいと思っています. 毎日この時間はいるという意味でのコアタイムは設定しない予定です. ただし,週に1・2回,この時間帯は一緒に勉強をするという意味の「もくもく会」(みんなであつまり,黙々と各自勉強する)を設定したいと考えています.
また,みなさんの毎日の進捗状況や相談ごとを日報として報告していただき,皆さんの状況をふまえたアドバイスを適宜行う形でサポートしています. 研究は日々の積み上げです. 少し抵抗があるかもしれませんが,教員のことはダイエットをするときのトレーナーだと思って,目的を達成するためにともに頑張りましょう.
詳しくは 研究室の活動 を御覧ください.
ゼミはどのような内容を行うのでしょうか?
全体で進捗報告と議論を行う「全体ゼミ」,個別に教員と検討を行う「個別ゼミ」,選んだ文献を輪読する「文献ゼミ」の3つのゼミを行っています. 文献ゼミの過去の内容は以下のとおりです.
年度 | 学期 | 文献名 |
---|---|---|
2022 | 前期 | 石原 尚「卒論・修論研究の攻略本–有意義な研究室生活を送るための実践ガイド」森北出版(2021) |
2022 | 前期 | 高橋 真吾,後藤 裕介,大堀 耕太郎「社会システムモデリング」共立出版 (2022) |
2022 | 後期 | M. C. Jackson, Systems Thinking: Creative Holism for Managers, Wiley (2003) |
どのような知識・スキルが事前に必要でしょうか?
知識・技能について,無いといけない,というものは考えていません. プログラミングはPython言語を利用する予定ですので馴染みがあれば(あるいは抵抗感がなければ)スムーズだと思います.
あえて,書かせていただくとすれば,研究の内容に関心・興味があって,楽しく研究してみたい!とお感じになられているかどうかを大切な基準として考えています. 後藤の経験からも知識・技能は興味があればあとからついてくるものです. みなさんが面白そう!と感じてもらっていれば,研究室で楽しく研究できてみなさんの成長にもつながると思います.
なお,スムーズに研究に取り組んで頂くための基礎知識として,以下の内容に取り組んできていただくことをお願いしています.